センター長ご挨拶

てんかんの有病率は100人に1人と頻度の高い疾患であり、あらゆる診療科の医師がてんかん患者さんに接する機会があります。てんかん診療に関わる診療科や診療部門が連携して包括的かつ円滑なてんかん診療・教育・研究を行うことを目的として「てんかんセンター」を設置しました。てんかんセンターは、てんかん医療構造における三次医療に位置し、地域医療機関との医療連携において中核的役割を担っており、その社会的ニーズは高まってくると予想されます。

 

 


 

てんかんは小児科および高齢者で最も発症することが多いのですが、どの年齢でも一定の割合で発症することが知られており、全年代に渡って専門的な知識を持った診療が必要です。てんかん治療は抗てんかん薬による薬物治療が主体ですが、薬剤抵抗性の難治に経過した症例では外科的治療が有効な場合もあり、その治療方針決定には専門的な知識と経験を要します。また、てんかん発作と鑑別を要する心因性非てんかん発作の診断やてんかんに関連した精神症状、認知機能の低下の評価、てんかん手術後に出現する精神症状への対応には、てんかんと神経疾患の専門性が必要になります。

 

てんかんの正確な診断や術前評価には長時間ビデオ脳波モニタリングを行いますが、発作時の脳波を記録する目的で抗てんかん薬を減量する場合があります。薬剤減量にともなう発作の重積化や転倒に伴う事故に対応するために看護師や技師の協力を得た診療体制が必要です。

 

また、教育面においては、てんかんの包括的な診療・治療に対する知識や技能の修得とともに若手医師および関連病院の医師を育成する役割を果たすことを目指しています。